2013年12月25日水曜日

013: 仮面山荘殺人事件 ★★★☆☆



ええ、叙述トリックでした。
仕掛けとしての「劇団使い」は道夫秀介が「からすの親指」でフォローしましたね。

012: レディ・ハートブレイク ★★★☆☆


スティーグ・ラーソンも読んだであろうサラ・パレツキー。どれを読んで良いかからないから適当に選んでみました。
しかしあれですね、装丁デザインがなんだか辛い。80年代ってヤツでしょうか・・・

退屈する事なく最後まで読み切ることができました。付箋を付けた箇所もかなりの数になりました。

|サラ・パレツキーの表現力
これは、ひとえにサラ・パレツキーが成せる表現力の賜物かと思います。名言ぽい箇所も多々あります。あとV.Iのキャラクターですね。V.Iは今の日本に蘇らせたら受けるキャラクターになるかもしれないと思いました。

また、時代設定が80年代ということもあり若干古くさい感じは否めませんが、女性パワーが台頭してきた当時のアメリカにおける女性を取り巻く環境や、そういった中にいる女性達の考え方を感じることができます。本作品がリリースされてから30年近く経っているのに、現代の日本にも通じる社会的課題も散見されます。それだけ、物事は解決に向かっていないということなのかもしれません。

V.Iシリーズはあと2冊程度(サマータイム・ブルース/レイクサイド・ストーリー)読んでみたいし、映画も見てみる必要がありますね。



2013年12月22日日曜日

011:アクロイド殺し★★☆☆☆



今年、ミステリに本格的に取り組み始めてから2冊目となるクリスティの作品が「アクロイド殺し」。クリスティものは以前「オリエント急行の殺人」など数冊読んだ記憶があるが、ほとんど覚えていないので当然再読しておかないとね。
|正直になるしかない
しかし、はっきり言ってこの作品が私には「面白い」とは思えない。天下のアガサ・クリスティにこんな評価をしてしまっては全国100万人のミステリーファンに叱られるかもしれないが、自分には正直になるべきだ。
エラリー・クィーンにも同じような印象を受けている。ことによると私には古典的本格派といわれるジャンルが向いていないのかもしれない。それはそれで仕方ない。

|しいてあげるなら
確かに、小さな灰色の脳細胞を持ったポアロのキャラクターには惹かれる部分はある。極度に服を気にしたりする几帳面で神経質な性格が観察力や論理的な推理展開に向いているだろうと納得感を得られる・・・が、今となってはそれもステレオタイプと言わざるを得ない。だから小説としての面白みを求めるというよりは、トリックの形を学ぶ対象にすべきかな。勿論、発表された当時では”衝撃的”な内容だったのだろう。

|フェアかフェア論争に見るマーケティング効果
ところで、この小説の最大の特徴である”叙述トリック”の採用方法について、本格推理小説という性格上アンフェアではないのか論争になったらしい(アクロイド殺し:wiki参照)。その後、この議論を気に病んだ本人の失踪や(ネタかな)、当時アンフェア派の代表である同じくミステリー作家のヴァン・ダインによる「ヴァン・ダイン二十則」の提示につながったらしいなどど、色々と賑やかな話題を提供した作品であったことは間違いないところ。そういう意味ではマーケティング戦略が効いた作品だったのだろうか。

クリスティもあと何冊かは読むつもりだ。

2013年12月12日木曜日

010:カラスの親指★★★★☆



「やられた」感は素晴らしかったです。推理小説というよりはエンターテインメント作品としてかなり面白かったです。

009:向日葵の咲かない夏★★★★★



これは今年の夏頃に読んだだろうか。出張中の移動&ホテルで夢中で読み切りったことを覚えている。

|人間は思い込む動物

叙述トリックの面でいうと、人が他者を認識する際の習性みたいな点を突かれた感じがした。よく思い込みはいけないというが、そもそも人は思い込む動物なんだろうなと思う。そして思い込みだと気付かされた時、真実とのギャップが大きければ大きい程、読者の快感もまた衝撃的に大きい。だからこのようなタイプの構成は面白く感じるのだろう。

そして、この手の小説は再読すると全く別の読み物になってしまうらしい。始めに思い込みがないのだからそれはそうなるかもしれない。

008:スタイルズ荘の怪事件★★☆☆☆



数ヶ月前に読了。
いつか分析。

健康が一番だということ。

実は今、とある原因から足を悪くしていて歩くのも儘ならない。しかも海外に出張中で治療もしっかり受ける事が出来ていないという状態だ。かれこれ10日程経つ。

なので、仕事はもっぱらホテルの中でこなしている。多少無理して歩き回ってもいたんだが、悪化する懸念をひしひしと感じて早々に療養を優先することにして、アポなどを極力減らしている。

こんな状況でも何とか仕事ができているのは、ネットと各種ツールのおかげであると改めて実感しているが、現実的に人に会えなかったりするので、こう言っちゃ何だが日本にいてもできる仕事をしているということだ。これでは会社にも申し訳ないし、気持ちも焦ってくる。だけれども、その分いつもより頭を数倍使って結果を出すしかないではないかと今では開き直りの境地に達している。

それにしても、体の何処かを悪くすると健康であることのありがたみを痛感する。足の悪い方々の気持ちも少しではあるが実体験として理解できる場面もあった。人間は実際に自分の身に降りかからないとわからないことが沢山あるんだろうな。健康体の時は自分が健康であることを余り意識しないものだ。

だからこそ、体の状態を良好に保つための努力は何かを諦めてでもするべきだぞ、と今の自分に強く訴えておきたい。絶対に忘れないためにも、リズベットサランデルのように、自分の怪我をした箇所にタトゥーを施し教訓としての刻印を残しておきたいくらいだ。

そんなホテルに缶詰の日々を送っている中、持ち込んだミステリーに没頭出来る時間がどれだけ今の私を救ってくれていることか。ミステリー小説家という職業は、大変に意義のある存在であると改めて感じさせてくれるのである。

2013年12月8日日曜日

森博嗣

森博嗣

我孫子氏関連を検索していて辿り着いた作家。初めて知った。なんか面白そう。

何がっていうと、「小説はビジネス」という考え方を明確にしているところ。その上で小説の創作を「開発」と言っている点などかなり刺さる。

ビジネスとして開発された小説か。いずれ読んでみよう。

2013年12月7日土曜日

007: ミレニアム1:ドラゴンタトゥーの女



|映画との比較
やはり、法則は生きていた。小説の方が映画よりも何倍も面白かった。結果がわかっているので推理する楽しみはなかったが、その分を差し引いても有り余る面白さだ。
映画(ハリウッド)の方は、内容を大分カットしているし、アクションテイストにより過ぎている。

|引き込まれる点
内容的な面白さとしては、3つの謎が並行して進行しそれぞれが絡み合っている点を上げたい。

#頻繁なシーンチェンジ
上巻でしかカウントしていないけど、400ページで優に60シーンを超えている。これは7、8ページに一度切り替わる計算だ。他の小説と比較していないのでこの数が多いか少ないか定量的には評価できないが、少なくとも私にはこのくらいの頻繁なシーンチェンジが全体を通してスピード間を産んでいる印象を受けた。この前に読んだ「殺戮に至る病」に比べれてもその多さは歴然。

#3つの謎が並行
・メインテーマであるハリエットの行方
・ミカエルの敗訴原因
・リズベットの過去(まだ判明していない)
これらが同時に進行しかつ複雑に絡み合っている。かなり長い内容にも関わらず飽きさせない要因ではないかと分析。

|キャラクター設定
取りも直さずリズベットのキャラクター設定に引き込まれる。以前読んだWORKSHIFTという本で「スペシャリスト」の部分になるほどと賛同したことを思い出したけど、彼女こそスペシャリストとして寧ろこれからの時代を生き延びられるタイプではないだろうか。

予断だけど、下記の3名は作品中に出て来たミステリー作家。知らなかった名前ばかり。いつか読んでみる。
ドロシー・セイヤーズ
スー・グラフトン
サラ・パレツキー






006: 殺戮にいたる病 ★★★★☆



2013/12/07 読了
映像化:なし(?)
(感想)
叙述トリックのサンプリングとしてはかなりイケてる。先に読んだ葉桜・・、イニシエーション・・は完全に及ばない。制作年代的にもこちらが先だから彼らには本作を超えられなかったということだ。私の中では。

|ミスリード

最後まで完全にミスリードされた。ミスリードの重要な要素は蒲生雅子の視点だ。彼女の視点なしには実現できないだろう。いわゆるホームズに出てくるワトソン君、的な感じがしないでもない。あえてね。

そして、「一体次はどうなるんだ」と常にハラハラさせる展開に、先を読みたくなる衝動はずっとマックスに張り付いていて、強引な斜め読みを繰り返してしまった。

|テンポとラストスパート

全体を通しての高速感のあるテンポが非常に良かった。
特に、フィナーレとなる第10章に差し掛かると、もう何があっても読み切ってしまわなければならないという義務感すら感じてしまう位だ。このラストスパートかけて更に加速してくる感じは一体何だったんだろう。(※恐らくこの感覚は冒頭のプロローグが効いていると分析)

また、いわゆる伏線を拾いながら犯人を探し当ててゆく推理小説とは赴きが異なるが、最後のどんでん返しの展開には、その内容の半端ないえげつなさに反比例し、むしろ爽快さが漂ったほど。

|グロさについて

評価として★が1つ少ないのは、グロさ。ちょっとね。
 まぁ、ミステリーを楽しむのに中途半端な道徳感情は邪魔なだけかもしれないが、人間にはそんな微妙な葛藤があるからこそ、この手の作品の中に存在する現実を、エンターテインメントとして受け止めることが出来きるのだというところはわかっているつもり。それにしても・・・

また、トリックはどうであれ、この作品に込められている意味は、冒頭に引用されている"キルケゴール"の文章に集約されている。この一文を当時の社会背景に照らして形にしたということか。。。

|成果

ハイテンポな文章テイストに加えて、トリッキーな構成と叙述トリックの組み合わさった構造は非常に学ぶべき点が多い。素晴らしいインプットだった。

(以下メモ)
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構造理解(起承転結)

結1
殺現場のラストシーンにおける、最後の結末の一歩手前までの描写


1章〜2章
主要登場人物の視点でそれぞれの内面、それぞれのつながりを俯瞰で認識する段階。ただ蒲生実だけは他の登場人物との同じ時系列では進行しない。
#蒲生実
#蒲生雅子
#樋口武雄


3章〜4章
蒲生実の犯罪は時系列をずらしながら着々と進行している。
相変わらず上記3名の視点で進行
次第にそれぞれがつながってくる


5章〜10章後半まで
樋口と(◯◯の妹)が事を始める頃から展開のスピードに拍車が掛かる

結2
10章最後
最後のどんでん返しのシーン。ここで冒頭のシーンの全ての意味が理解出来る。


2013年12月5日木曜日

2013年12月4日水曜日

005: 容疑者Xの献身 ★★★★★



僕にとっては初の東野圭吾作品。

泣けた。タイトルの持つ本当の意味に触れたときの衝撃はもの凄いものがあった。
ミステリー・推理小説のジャンルでこれほど感動する小説があっただろうか。と言っても差し支えない。

そして、本書を読む前に感じていたような(東野圭吾が流行作家で薄っぺらいのでは?)、「変な先入観、思い込み」で物事を考えていてはいけないなと実感させられもした。ほんと、それこそ石神哲也の思うつぼだよね。ただ、実際にそういう受け取り方をする人々もいるのは現実。だからこそ、PRとか広告、イメージ戦略ってすごく大事だということだ。

ところで、著者のwikiに目を通していたら本作品にまつわる論争なるものの存在を知った。まぁ、正直本格推理かどうかなんて全然気にしていなかったが、どういう事なのだろう。

また、本作品は映画化されているわけだけど、そのキャスティングには直感的に違うだろうと感じた。例えば「石神」の存在が台無しじゃないかよとか、新米女刑事とかいらないとかね。まぁ福山雅治はマッチしてるとは思うけども。
こちらも見ていないのでちゃんとした感想はまだ持ち得ない。是非見てみよう。

いずれにしても、本書は間違いなく私の再読リスト入りだ。

良いインプットができたことに感謝。
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#後で気付いたので追記しておきます。

ちょっと矛盾するのですが、「手紙」という映画を以前見ました。あれも東野圭吾だったのですね。いや、あの映画も兄弟ものに弱い私としてはどツボでした。大泣きでした。こういう映画を見ると、映画は、原作の映画化に拘ることなく、ひとつの映画作品としての見方もあるなと思います。

2013年12月1日日曜日

004: イニシエーション・ラブ ★★★☆☆



一瞬何がどうなったのかわからなかったのが読了後の正直な感想。

最後の二行で全てがどんでん返し、という触れ込みだから、登場人物達と同じような時代を生きた私にとって、なんだかこっぱずかしくなる設定も我慢して読み進みた結果がこれである。

この二行がなんなんだよ!

しかし、ページを行きつ戻りつを繰り返し、最後の解説欄を二三度読み返すうちにそのトリックがジワジワと判明した。その時確かに数学の証明問題をどうにか自分流で解き明かしたような感覚に陥って、これはもしかしたら凄い作品なのではないかともチラッと思った。